
家を売ることは、人生における大きな選択のひとつといっても過言ではありません。そのため、家の売却の基本的な流れや不動産会社選びのポイントをきちんと理解する必要があります。また、内覧者にこの家を買いたいと思わせるための工夫も大切です。本記事では、家の売却に必要な流れと内覧時の工夫をまとめて解説します。
家を売却するときの流れ
家を高く売るためには、不動産売却の基本的な流れを理解しておくことが大切です。主な流れは以下の5つに分かれます。
査定を依頼する
家を売る第一歩は、不動産会社に査定を依頼することです。査定方法には、簡易的に行う机上査定と実際に家を訪問して行う訪問査定があります。最初に机上査定でおおよその価格を確認し、その後、訪問査定でより正確な価格を把握します。
査定額は不動産会社によって異なるため、複数社に依頼し比較するのが重要です。一括査定サービスの活用によって効率的に査定を依頼できます。
自分で相場を調べる
査定と並行して、自身でも周辺の不動産相場を調査します。同じ立地や条件の物件価格を参考にすると、適正価格を把握し、安売りや価格設定ミスを防げます。
不動産会社と契約する
売却価格を決めたら、不動産会社と媒介契約を結ぶ流れです。媒介契約には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があり、特徴が異なります。一般媒介は複数の会社と契約でき、専任媒介・専属専任媒介は1社と集中して契約します。
専任媒介と専属専任媒介はレインズへの登録義務があり、物件情報を広く公開可能です。売却の条件やスケジュールに応じて契約タイプを選ぶことが大切です。
販売活動を開始する
契約後、不動産会社がチラシやWEBサイトを利用して買い手を探します。購入希望者の内覧に備え、家を整理整頓しておくと印象がよくなります。
契約と引き渡しを行う
買い手が見つかると売買契約を結び、引き渡しを行います。契約時に手付金(売買価格の5~20%)を受け取り、引き渡し時に残金を受け取ります。契約時には注意点が多く、不動産会社のサポートを受けながら進めると安心です。
不動産会社を選択するポイント
不動産会社を選ぶ際に重要なのは、査定額や知名度だけで判断しないことです。査定額が高い、会社が有名という理由で選んでしまうと、後々の売却活動に影響をおよぼす可能性があります。そこで、不動産会社を選ぶ際に押さえるべき3つのポイントを詳しく解説します。
査定額の根拠を比較する
査定額だけではなく、査定額の根拠を確認することが大切です。不動産会社に査定額の理由を具体的に聞き、プラス評価やマイナス評価の詳細を教えてもらいましょう。周辺事例を交えながら、丁寧に説明する会社は信頼性が高いといえます。
一方、高めの査定額を提示しつつ根拠が曖昧な会社は注意が必要です。契約を取りたいだけで高額査定を提示し、実際の売却段階で値下げを提案する可能性もあります。査定額の説明が具体的で根拠のある会社を選びましょう。
類似物件の売買実績を確認する
不動産会社が売却実績をもっているかどうかも重要なポイントです。とくに、自分が売りたい物件のエリアや条件に合った実績があるかを確認しましょう。たとえば世田谷区の一戸建てを売却する場合、直近2年以内の売買件数を具体的に聞くとよいです。
大手不動産会社は全国的なネットワークを活かした広範囲での集客が得意ですが、地域密着型の会社はその土地の特性を活かした買い手探しが強みです。会社の規模に関係なく、自分の物件に適した実績がある会社を選びましょう。
営業担当者の対応をみる
営業担当者の対応も選定の重要な基準です。契約後は営業担当者と密に連絡を取ることになるため、相談しやすい人柄や対応力が求められます。査定時に担当者に疑問や不安を率直に伝え、その反応を観察してください。
真摯に対応し、具体的な解決策を提示できる担当者であれば、売却活動がスムーズに進みます。
内覧者に買いたいと思わせるにはどうする?
不動産売却を成功させるには、内覧時に訪れる購入希望者の心をつかむことが重要です。内覧者が、ここに住みたいと思うかどうかで売却が成立するかが決まります。そのため、内覧者の購入意欲を高める工夫が必要です。以下に、具体的な方法を紹介します。
部屋をスッキリ見せる
内覧者は事前に間取り図で広さを確認していますが、家具や荷物が多いと部屋が狭く感じられます。不要な物は処分し、整理整頓を徹底して部屋を広く見せましょう。また、清潔で整った部屋は好印象を与え、住みたいと感じてもらいやすくなります。
部屋を明るく演出する
家の明るさも、購入意欲に影響を与えます。電球は新しいものに交換し、昼間でもすべての部屋の照明を点けておくのがおすすめです。とくに自然光が入らない部屋は、昼光色の照明を使うとよいです。照明の種類や配置に悩んだ場合は、不動産会社の営業担当者に相談してアドバイスをもらうのも有効です。
また、内覧者に対して明るく親しみやすい態度で接することも重要です。取引相手として信頼されるよう、明るくハキハキとした対応を心掛けましょう。
ハウスクリーニングを活用する
水回りは、とくに内覧者の目が厳しくなるポイントです。自力での掃除に限界を感じた場合は、プロのハウスクリーニングの利用を検討してください。浴室やキッチンのような、汚れが目立つ部分をきれいにしておくことで、内覧者への印象はよくなります。
ハウスクリーニングの費用は浴室で1〜2万円、キッチンで1〜2.4万円ほどが相場です。不動産取引の規模を考えれば、クリーニング代は充分価値のある投資です。
まとめ
家を売る際には、売却の流れや不動産会社選び、内覧者へのアピール方法を知ることが成功の鍵です。売却の基本は査定の依頼から始まり、不動産会社と契約し、販売活動を経て契約・引き渡しへと進みます。適切な不動産会社を選ぶには、査定額の根拠や売却実績、担当者の対応を確認することが重要です。さらに、内覧者に好印象を与えるためには、部屋をスッキリ整え、明るさを演出し、プロのハウスクリーニングを活用するのが効果的といえます。これらを実践すると、購入意欲を高められ、スムーズな売却を実現できます。