不動産売却を進める際は、少しでも有利に進めたいものです。不動産を少しでも高く売却するためには、会社選びが一番重要です。今回は、不動産会社の選び方や、不動産売却を上手に進めるためのポイントを解説します。本記事の内容が、不動産売却を検討している人のお役に立てば幸いです。
不動産選びが売却の成功を左右する
不動産の売却を成功させるには、不動産会社選びが極めて重要です。個人で買主を見つける方法もありますが、売買契約を結ぶのは難しく、ほとんどの人が不動産業者に依頼します。不動産業者の選び方次第で、自分の不動産がどれだけ早く、どれだけ高く売れるかが決まるといっても過言ではありません。
不動産売却の流れは以下の通りです。
相場調査・必要書類の用意
まず、相場の調査や必要書類の用意などの準備をおこないます。その後、不動産会社に査定を依頼します。査定結果を基に売却価格を設定し、媒介契約を結びます。不動産会社は売却活動をおこない、宣伝や内覧対応をします。
買主が見つかると価格交渉をおこない、契約書の作成や決済の手続きを経て、最終的に物件を引き渡します。
スムーズに進めるには専門知識が必須
この一連の流れをスムーズに進めるには、専門知識が必要です。不動産業者は売主をサポートしながら、買主とのマッチングをおこない、契約完了まで導きます。不動産売却の成功は、業者の手腕に大きく依存しているのです。
準備から引き渡しまで約6ヶ月かかる
一般的に、不動産売却には準備から引き渡しまで約6ヶ月かかります。売却期間は条件や時期によって変わることがありますが、短期間で売却を完了させるためにも優れた不動産会社の選定が重要です。
信頼できる不動産会社を選ぶことで、売却活動が効率的に進み、売主の希望に沿った結果を得られる可能性が高まります。したがって、不動産会社選びは売却の成否を左右する重要な要素となります。
不動産売却を有利に進めるためのポイントとは
次に、不動産売却を有利に進めるポイントを解説します。
宅地建物取引業の免許を確認する
信頼できる不動産会社を選ぶためには、まず宅地建物取引業の免許を確認しましょう。免許番号を確認することで、無免許業者との取引を防げます。行政庁で宅地建物取引業者名簿を閲覧すれば、過去の実績や行政処分歴が分かるので、安心して取引できる業者を選べます。
国土交通省や都道府県のウェブサイトでも、免許業者の行政処分情報を確認できます。
不動産業者の得意分野を見極める
不動産業者には、分譲業者、買取再販業者、媒介業者など、さまざまな種類と得意分野があります。不動産の売却を依頼する場合、売買物件の媒介業務を取り扱っている業者を選ぶとよいです。
土地や一戸建てを中心に扱う業者や、中古マンションを中心に扱う業者などがあり、それぞれの実績について事前に確認することが重要です。
大手・中小にこだわりすぎない
不動産会社選びでは、大手か中小かにこだわる必要はありません。大手は多くの見込み客をもっていますが、中小は地元の情報に詳しく、親身になって対応してくれることがあります。
重要なのは、どんな販売活動をおこなってくれるかという点です。レインズに登録しただけではなく、他の販売活動や提供するサービス内容を確認しましょう。サービスの一例として、荷物の一時預かり、プロカメラマンによる撮影、ホームステージング、設備・建物保証、買取保証、買取賃貸などがあります。
担当営業者の力量をチェックする
不動産売却の成否は営業担当者の力量にも大きく依存します。営業担当者と話す機会があれば、契約実績や得意エリア、営業手法を確認しましょう。宅建士の資格をもっているかどうかや、不動産売却に関わる税金や法律についての知識もチェックポイントです。
営業担当者との相性や人間性も考慮し、信頼できる担当者を見つけることが大切です。
契約の種類を把握する
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。それぞれの契約には特徴があり、たとえば、一般媒介契約は他業者への同時依頼が可能ですが、専任媒介契約や専属専任媒介契約は他業者への同時依頼ができません。
信頼できる業者に出会えた場合は専任媒介契約や専属専任媒介契約を、どこも同じようであれば一般媒介契約を選ぶとよいです。契約期間は3ヶ月が一般的で、期間が過ぎた段階で別の業者に乗り換えることも考えられます。
囲い込みに気をつける
最後に、不動産売却で注意すべき点として「囲い込み」があります。囲い込みとは、売主から売却の媒介契約を依頼された物件を他の不動産会社に紹介しないことです。
これは自社で売り手からも買い手からも仲介手数料を得るための手法で、適正な価格で売り出しているにもかかわらず長期間問い合わせがない場合は、この囲い込みが疑われます。適正な売却活動がおこなわれているかどうかを確認し、不動産会社と良好な関係を築くことが重要です。
一括査定を賢く利用しよう
不動産売却に際しては、相場を把握し正確な売却価格を知るために、査定を依頼することが重要です。しかし、一社だけに依頼しても比較ができないため、複数の業者に査定を依頼する「一括査定」を利用しましょう。多くの業者に査定を依頼することで、相場を把握しやすくなります。
ただし、他社に比べて極端に高い査定を提示する業者には注意が必要です。専属媒介契約を結ぶために高めの査定額を出している可能性があるからです。また、安すぎる査定も相場を把握できていない可能性があります。
査定を依頼した後は、業者を数社に絞り込み、査定額の根拠をしっかり確認しましょう。「すぐに売れます」など調子のよいことばかりをいう業者には注意し、本当に信頼できる業者を選ぶことが重要です。
まとめ
不動産売却を成功させるには、信頼できる不動産会社の選び方が鍵となります。まず、宅地建物取引業の免許を確認し、無免許業者を避けましょう。また、業者の得意分野を見極め、大手か中小にこだわらず、どのような販売活動をおこなってくれるかを重視します。
営業担当者の力量や相性も重要で、媒介契約の種類や囲い込みのリスクにも注意が必要です。さらに、一括査定を利用して複数の業者から査定を受け、査定額の根拠を確認しながら、最も信頼できる業者を選ぶことで、売却を有利に進められます。