実家をどうする？売却で悩む人のためのガイド

親から受け継いだ実家を売却するべきかどうかは、多くの人が悩む問題です。住む予定がなくても思い出があるため、簡単に決断できない方も少なくありません。固定資産税や維持費の負担もあり、放置すると家が劣化する心配も出てきます。本記事では、実家を売却する前に考えておきたいポイントや判断のヒントを紹介します。

実家を売却したほうがいいケース

実家を手放すかどうかは、多くの人が悩む大きな決断です。思い出がある分、簡単に答えを出せないこともあります。

ただし、状況によっては売却を検討したほうが負担を減らせる場合もあります。

誰も住む予定がないとき

自分を含め、兄弟や親族の中で実家に住む人がいない場合、家を残しても空き家になってしまいます。空き家は固定資産税や修繕費がかかるだけでなく、防犯や防災の面でも不安が残ります。

人が住まない家は傷みも早く進むため、価値が下がってしまうこともあるでしょう。そのため、将来的に利用する予定がないなら、早めに売却を検討することをおすすめします。

遠方で空き家になっているとき

実家が遠く離れていて通うことが難しいと、管理が行き届かず空き家状態になりがちです。長期間放置すると雨漏りや害虫被害などが発生し、修繕費用が大きな負担になるケースもあります。

空き家は周囲の景観にも影響し、近隣トラブルにつながることも少なくありません。定期的に足を運べない状況が続くなら、売却によって維持や管理の悩みから解放される可能性があります。

資産価値が上がらないとき

実家のある地域によっては、人口減少や住宅需要の低下で不動産の価値が下がることがあります。空き家のまま所有していると、今後さらに価格が落ちるリスクも考えられます。

とくに地方や過疎化が進んでいるエリアでは、買い手が見つかりにくくなる前に売却を検討した方が安心です。資産価値が上がる見込みがない場合は、早めに手放すことで損失を減らすことができます。

実家を売却しなくてもいいケース

実家を売却するかどうかは、大きな悩みのひとつです。ただ、必ずしも手放す必要があるわけではありません。

住む予定や立地条件によっては残したほうがよい場合もあります。ここでは、売却しなくてもいいケースについて見ていきましょう。

住む予定があるなら残す選択も

自分や兄弟など、将来住む予定が決まっている場合は売却しなくても問題ありません。古くなっていてもリノベーションをすれば快適に暮らすことができ、思い出のある家を守ることにもつながります。

リフォームや間取り変更で今のライフスタイルに合わせられるため、新しい住まいを買うよりも費用を抑えられる可能性があります。住む予定があるなら残して活用するのも安心できる方法です。

立地がよければ活用方法がある

実家が駅や商業施設に近いなど立地に恵まれている場合、売却せずに活用する選択も考えられます。賃貸住宅として貸し出せば家賃収入が得られますし、土地を駐車場にすれば安定した収益につながることもあります。

立地がよい家は将来的な資産価値も見込めるため、急いで手放す必要はありません。上手に活用すれば、家族にとって大切な資産として残すことができます。

もし実家を売却するなら知っておきたい大切なポイント

実家を売却することになったとき、感情的な問題だけでなく手続きや準備も必要になります。ここでは実家を売却する際に気をつけたいポイントを紹介します。

不動産売却時の税金を理解しておく

実家を売却して利益が出た場合、譲渡所得税などの税金がかかります。売却価格から購入時の費用やリフォーム代を差し引いて利益が出ると、その分に課税される仕組みです。

税金を知らないまま売却を進めると、思ったより手元に残らないこともあります。特例制度や控除を利用できるケースもあるので、事前に確認しておくことが大切です。

売却のタイミングを意識しておく

不動産の価格は景気や需要、地域の開発状況などで変わります。同じ物件でもタイミング次第で売却額に差が出ることも少なくありません。たとえば春先や秋は引っ越し需要が高まり、買い手が見つかりやすい時期といわれています。

焦って決めるのではなく、市場の動きを確認しながら売却時期を選ぶことで、より有利な条件で手放せる可能性があります。

信頼できる不動産会社に相談する

売却を進めるには、信頼できる不動産会社への相談が欠かせません。とくに実家がある地域の市場に詳しい会社なら、適正な価格での売却やスムーズな取引が期待できます。

全国規模の大手だけでなく、地域密着型の不動産会社にも強みがあります。相場や手続きに不安があるときは、複数社に相談して比較することも有効です。

家族全員の了承を得ておく

実家の売却は自分だけで決められないことも多く、名義人や兄弟姉妹が関係している場合はとくに注意が必要です。あとから「聞いていない」と不満が出ると、売却が進まなくなる可能性があります。

事前に家族全員で話し合い、了承を得てから行動に移すことが大切です。円滑に進めるためにも、専門家を交えて説明するのもよい方法です。

まとめ

実家を売却するかどうかは、誰にとっても簡単に答えを出せるものではありません。誰も住む予定がなく管理が難しい場合には売却が安心につながりますが、住む人が決まっていたり立地条件がよければ残す選択も有効です。さらに売却を選ぶ場合には、税金や不動産会社選び、家族間の合意など準備が欠かせません。大切なのは感情面だけで判断せず、費用や将来の活用方法も含めて総合的に考えることです。状況に合った選択をすれば、後悔の少ない決断につながります。