
不動産を手放すとき、できるだけ高い価格で売却したいと考える方は多いでしょう。ちょっとした工夫で売却額に差が出ることも少なくありません。買い手の印象を意識した準備や相場を知るための情報収集は欠かせない要素です。本記事では、不動産を高く売るために押さえておきたいコツを紹介します。
不動産を高く売るなら「買取」より「仲介」を選ぶべき
不動産を売却する方法には「買取」と「仲介」があります。どちらもメリットがありますが、できるだけ高く売りたい場合は「仲介」を選ぶ方が有利です。ここでは、それぞれの仕組みや違いを解説します。
買取は早く売れるけれど価格は低め
不動産会社が直接物件を買い取る方法で、その後リフォームや修繕を行い再販するケースが多いです。仲介手数料はかかりませんが、会社にとっては仕入れになるため、再販売で利益を出せる価格での買取となります。
一般的に相場の7~8割が目安となり、高値での売却は難しいのが実情です。ただし「急いで現金化したい」「築年数が古くて買い手がつきにくい」といった場合には有効な手段になります。
仲介は時間がかかっても高値を狙える
仲介とは、不動産会社に依頼して買主を探してもらう方法です。広告や内見の手配、契約手続きなどをサポートしてくれるため、個人で売却活動を行うより安心です。
売買契約が成立した際には仲介手数料が必要になりますが、これは売却価格に応じて決まる成功報酬で、法律で上限が定められています。手数料が発生しても、自分の希望に近い価格で売れる可能性が高いのが魅力です。そのため、不動産を高く売りたい方には仲介が適しています。
不動産を高く売るために押さえておきたいコツ
売却の成功には、事前の準備や市場の動きを知ることが大切です。ここでは、不動産を高く売るために役立つ4つのコツを紹介します。
物件の相場価格を理解する
不動産を売却する際は、まず相場を知ることが重要です。近隣の売却実績やエリアごとの価格を調べれば、適切な売り出し価格を設定しやすくなります。
相場を知らずに高すぎる価格をつけてしまうと売れ残り、逆に安すぎると損をしてしまいます。信頼できる不動産会社に査定を依頼し、複数の意見を比べることも有効です。
売り出すタイミングを考える
売却価格は、需要が高まる時期を選ぶことで変わってきます。とくに1月から3月は子どもの進級や企業の人事異動が重なるため、購入希望者が増える傾向があります。
一方で、梅雨から真夏にかけての6月から8月は動きが鈍く、売却には不利になりやすいです。市場の動きを見極め、需要が高まる時期を狙うことが高値売却の近道になります。
依頼先の会社選びで結果が変わる
売却を成功させるためには、実績と信頼のある不動産会社を選ぶことが欠かせません。販売力のある会社であれば広告や集客のノウハウも豊富で、買い手を効率よく見つけてくれます。
査定額だけで判断せず、担当者の説明や対応の丁寧さ、過去の実績も確認して選ぶと安心です。サポート体制が整っている会社に依頼することで、高く売れる可能性が高まります。
写真で第一印象をよくする工夫
物件を紹介する際の写真は第一印象を左右します。明るく清潔感が伝わる写真を用意することで、購入希望者の興味を引きやすくなります。
部屋を片付けてから撮影し、できるだけ広く見えるように工夫することが大切です。専門のカメラマンに依頼するのも効果的で、魅力的な写真は内見の数を増やし、売却をスムーズに進める助けとなります。
不動産を売却するときに注意したいNG行動
大切な不動産をできるだけよい条件で売却するには、やってはいけない行動を知っておくことが大切です。ここでは、売却時に避けたい4つのポイントを紹介します。
相場から大きく外れた価格をつける
売却価格を高く設定したい気持ちは自然ですが、相場からかけ離れた金額をつけると買い手がつきにくくなります。反対に安すぎる価格をつけてしまうと、損をしてしまうこともあります。
適正な相場を知るには、複数の不動産会社に査定を依頼して比較することが有効です。市場の動きを参考に、現実的な価格を設定することが売却成功につながります。
交渉にまったく応じない態度をとる
購入希望者が条件や価格の交渉をしてきたとき、まったく耳を貸さない姿勢だと成立のチャンスを逃すことになります。
もちろん希望を大きく下げる必要はありませんが、柔軟に検討することでスムーズな契約につながります。売却側と買主双方が納得できるラインを探る意識が、よい取引を実現するために欠かせません。
勝手にリフォームや解体を進めてしまう
売却前に「直したほうがよいかも」と考えて、独断でリフォームや解体をするのは注意が必要です。買主は自分でリフォームを考えているケースも多く、費用をかけてもプラスにならないことがあります。
不動産会社に相談し、必要かどうかを判断してから進めるのが安心です。余計な出費を抑えることにもつながります。
慌てて売却を決めてしまう
「早く現金化したい」と焦って売却すると、希望よりも安い価格で契約してしまう恐れがあります。急ぐ事情がなければ、相場や需要が高まる時期を見極めて売り出すほうが有利です。
落ち着いて準備を整え、信頼できる不動産会社に相談しながら進めることで、よりよい条件での売却が実現しやすくなります。
まとめ
不動産を少しでも高く売却するには、方法や工夫の選び方が大きなポイントになります。スピードを重視するなら「買取」も選択肢になりますが、高値を狙うなら「仲介」でじっくり売却活動を進めるほうが有利です。また、相場を把握して価格を決めたり、売り出す時期を見極めたりする工夫が欠かせません。さらに、相場から大きく外れた価格をつける、交渉に応じない、独断でリフォームをするなどの行動は失敗につながる恐れがあります。事前に正しい知識をもち、信頼できる不動産会社と連携することで、納得のいく売却につなげることができるでしょう。