所有している不動産を売りたいと考えている方は多いでしょう。しかし、何の知識もないまま不動産売却をしてしまうと、トラブルが発生したり、損をしたりする可能性があります。そのため不動産を売るときは、まず売却についての知識を得ることが大切です。そこでこの記事では、不動産を売るときの注意点を解説します。
不動産を売却する前に気をつけたいポイント
まずは、不動産を売却する前に気をつけるポイントを見ていきましょう。
自分に合う売却方法を選ぶ
不動産売却をするときは、自分に合った売却方法を選びましょう。
売却方法は、不動産会社の「仲介による売却」、不動産会社が直接買う「買取」、一定期間で売れなかったときに不動産会社が買い取ってくれる「買取保証付きの売却」、住宅ローンの返済ができていない不動産を債権者の合意のもと売却できる「任意売却」、不動産会社に買い取ってもらってから賃料を支払って住み続ける「リースバック」があります。
ご自身の状況に合わせて、適切な売却方法を選んでください。
近隣の不動産相場を調べておく
不動産売却をする前に、近隣の不動産相場を調べておきましょう。相場を知っておけば、不動産会社で査定をしたとき、査定金額が高いのか安いのかを判断できます。不動産会社によって査定額は異なるため、不動産会社選びの基準にもなるのです。
売却するときにかかる諸費用も調べておく
不動産売却には、さまざまな諸費用がかかります。主な諸費用としては、仲介手数料、印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税・住民税・復興特別所得税などの税金が挙げられます。なかでも仲介手数料や税金は金額が大きくなることもあるので、事前に確認をして準備しておきましょう。
売却する不動産の情報を把握しておく
不動産売却をするときは、売却する不動産の情報を把握しておきましょう。不動産の登記簿を見て、所有者は自分になっているか、土地の用途、面積など、さまざまな情報を収集してください。また、不動産の現在の状況と登記簿の内容に相違がないかもチェックしましょう。
不動産の購入から法改正がされていないかチェックする
不動産に関する法律の一つ、建築基準法は、何度も法改正がされています。そのため、不動産を購入してから法改正がされていないかチェックしましょう。法改正されている場合、売却する不動産の規格が現在の法律に適していない可能性があります。売却時に非常に重要になるため、注意して確認しましょう。
不動産を売却するときの注意点
次に、不動産売却をするときの注意点を見ていきましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産売却をするときは、まず不動産会社に査定を依頼します。しかし、一社だけに査定を出して不動産会社を決めるのは危険です。その不動産会社の査定額が正しいとは限りません。そのため、査定は複数の不動産会社に依頼をしましょう。提示された査定額を見て、比較検討してください。
内覧前の清掃を忘れずに
購入希望者が内覧に来るときは、必ず清掃をしましょう。汚い家より、綺麗な家を買いたいと思うのは当然です。とくに、お風呂や洗面所などの水回り、玄関、リビング、バルコニー、収納スペースは内覧でよく見られる箇所なので、入念に掃除をしてください。
不動産売買契約書はきちんと確認する
売却が決まったら、不動産売買契約書を交わして売却が成立します。このとき、不動産売買契約書は隅から隅まできちんと確認しましょう。売却金額、引き渡し日など、しっかり明記されているかチェックしてください。
売却に関することは、決して口約束をしてはいけません。のちのトラブルを防ぐためにも、どんな小さなことでも、契約書に明記するようにしましょう。
売却後は必ず確定申告を
不動産売却後は、忘れずに確定申告をしましょう。売却したことによって得た利益は所得と判断され、譲渡所得税が発生するからです。確定申告をきちんとすれば、特例が適用されて3,000万円控除される可能性もあるので、必ず確定申告をしてください。
物件や状況に応じて注意したいこと
不動産売却をするときは、売却する物件や状況によって注意すべき点が異なります。それぞれの注意点を見ていきましょう。
マンションなら同じ建物の物件情報をチェック
売却する不動産がマンションの場合、同じ建物で売りに出している物件がないかチェックしましょう。マンションなら間取りや広さは同じなので、購入希望者は価格や条件で選ぶ方が多いです。そのため、もし売りに出している物件があれば、価格や条件などを見てその物件よりも買いやすい価格や条件にするとよいでしょう。
戸建てなら売却前にリフォームはしないで
戸建てを売却する場合、より高く売却するために売却前のリフォームを検討している方もいるでしょう。しかし、売却前のリフォームは必要ありません。なぜなら、場合によってはリフォーム費用が高くつき、売却利益が大して出ないケースがあるからです。そのためまずは、リフォームせずに今のまま売りに出してみましょう。
土地なら境界線を確認
土地を売却したい場合は、境界線を明確にしておきましょう。境界線が明確でないと、正確な査定額が出せないからです。境界線が分からない場合は、法務局で「確定測量図」をもらって確認しましょう。
不動産売却時にしてはいけないこと
ここからは、不動産売却時にしてはいけないことを解説します。間違った売却をしないよう、きちんと押さえておきましょう。
大手の不動産会社にだけ査定を依頼する
不動産会社は、全国展開する大手企業と、地域に密着した中小企業があります。査定依頼をするときは、大手と中小両方の不動産会社に、まんべんなく出しましょう。
質の高いサービスと高く売ることを考えると、大手の不動産会社に依頼したほうがよいのかと思う方も多いでしょう。しかし、大手と中小はそれぞれメリットが異なります。必ずしも、大手だからよい不動産売却ができるとは限らないのです。
損失が出たからと確定申告をしない
不動産売却をして損失が出たからといって、確定申告をしないのはおすすめできません。所得がないのでする必要はありませんが、税金対策としてするべきです。不動産売却で損失が出ても、損失分をほかの所得から控除できる特例が適用される可能性があります。そのため、損失が出ても確定申告は忘れずに行いましょう。
まとめ
今回の記事では、不動産売却をするときに事前に知っておきたい注意点をご紹介しました。不動産売却は、大きな資産を手放すとても重要なものです。そのため、事前に不動産売却についての知識を得ておく必要があります。
そのため、こちらの情報を参考に不動産売却をするときの注意点をしっかり押さえ、大切な不動産を納得した方法で売却してください。